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今日は土曜日。 普段だったらお昼からこの券売所で美奈子さんと一緒のはずなのに。 補講なんてくらっちゃった。 今日で美奈子さんバイト最後なのに、ちょっとしか喋れ無いじゃん。 「本気最悪ぅ。補講とか、本当ダルいし。」 「女の子がそういう言葉使わないの。なっちゃんは可愛いんだから。」 「だってぇ、なおんないもんはなおんないだもん。なつは、美奈さんみたいにはなれないし。」 「なっちゃんだって、一緒にスパ行った時、凄い可愛いかったよ。」 「本気辞めてよ、そんなお世辞ぃ。」 私だって、美奈子さんみたいにおしとやかな風になりたいし、こんなケバケバのギャルメイクやめたいよ。 「ってかぁ、美奈さん辞めたら、これから長谷さんと一緒って、耐え切れないし。」 「まぁ、長谷川さんも悪い人じゃないんだけどね。」 「ギャルだからってみんなほとんど口も聞いてくんないし。美奈さんだけだよね、普通に話してくれんの。」 「フフッ、ありがとね。辞めても連絡とかいつでもして良いからね。」 広場の時計が18時を指し、静かだが明るい音楽に乗せ、人形が踊りだした。 「じゃあ、またね。なっちゃん。」 「美奈さん居てくれたおかげで、バイトの不安とかもすげぇ消えて、愚痴とかもすげぇ喋ったりして楽になって。美奈さんいなかったら、田舎から出てきたばっかで、一人切りで、駄目だったかも知れないです。本当ありがとうございました。」 自然と涙がこぼれた。 「ほーら、なっちゃん泣かないのお客さんよ。」 そういう美奈子さんも眼が潤んでいた。 「はっ、はい。お疲れ様でした。」 18時10分からの、チケットを買いにお客さんが流れだした。
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