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館内に入ると、もう若干薄暗い。 「え~っと、G-12、G-12」 「あっ、そこじゃない。」 お客さんはぱらぱらとしかおらず、席はすぐに見つかった。 席につき、飲み物を置く。 トイレはすませた。 これは、俺のルール。 それにしても、惠さんは綺麗だよな。 ほわ~っとしてる所があるけど、逆にそれも可愛い。 実家は栃木の方で大農家やってる様な事も言ってたよな。 大学も良い所行ってる見たいだし。 俺なんか、遊んでていいのかな。 「ねぇ、岸本くん?」 「えっ、あぁ、うん」 「私の話聞いてた?」 「ごめん…、聞いてなかった。」 「もうっ。それで、受付の娘知り合いなの? なんか前から、妙に仲よさそうだけど。」 「えぇ、まぁ。何度か相談にのってあげた事がある程度だけど…。」 「ふ~ん。」 「いや、なんか専門学校行く為に上京してきた見たいでさ。親近感わいちゃって。」 「それだけで、あんなに仲良くなる?」 「しかも、半年前位にお母さんが亡くなったらしくてさ。ほっとけなくて。」 「そうなの。」 「あっ、パンフレット買って来るよ。」 そそくさと席を立った。
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