年上の恋人

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電車を降りる頃には、春の夕空は完全に暗くなっていた。 原宿の駅前は待ち合わせをする者であふれ返っている。 それでも瀬良の姿は遠目にでもすぐに見つけられる。 大切な人が誰かに紛れることはない。 気付かれないようにそっと後ろから近付いて、瀬良の腕に自分の腕を絡ませる。 「おっ!?」 「おまたせしましたっ」 「みのりちゃんか。驚いたよ」 彼の優しい微笑みに釣られて、にこりと笑顔をつくる。
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