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「入るぞ」
光鬼は黄色テープが貼られている家のドアに、手をかけた。
「待て、まだ夕方だ。暗くなってから入ろう」
真は冷静に判断して、言った。
「分かったよ。じゃあ、聞き込もう」
ちょうど、老人が歩いていた。
真は老人に声を掛け、殺害された家族について聞く。
「あ~、井上夫婦じゃろ。至って普通じゃよ」
老人はウンウンと頷きながら言った。
「誰かに恨まれてませんでしたか?」
今度は光鬼が聞いた。いつもとは違う、敬語で。
「い~や、知らん。ただ、あの家は曰く付きの家でな」
老人は黄色テープが貼られている家を見つめながら、言った。
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