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「止めろぉぉおお!」
真の悲鳴に似た叫び声が、耳に入る。
今度は空耳ではない、ということが光鬼にも分かった。
そのくらい鮮明に聞こえたからだ。
「待ってろよ」
真の危機を察し、急いで取っ手に手をかけた。
突如、真の前に男が現れた。
男の首は切り裂かれた、傷がある。
今なお、ナイフを守る後藤大輝である。
後藤の霊は真に向けて、ニヤリと口元を曲げた。
「止めろぉぉおお!」
真は必死で叫んだ。
何かされるのではないか、という恐怖を感じたためである。
真はジャケットにポケットから、魔除けのナイフを取り出すために手を突っ込んだ。
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