第一話【悪霊が棲む家】

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「止めろぉぉおお!」 真の悲鳴に似た叫び声が、耳に入る。 今度は空耳ではない、ということが光鬼にも分かった。 そのくらい鮮明に聞こえたからだ。 「待ってろよ」 真の危機を察し、急いで取っ手に手をかけた。 突如、真の前に男が現れた。 男の首は切り裂かれた、傷がある。 今なお、ナイフを守る後藤大輝である。 後藤の霊は真に向けて、ニヤリと口元を曲げた。 「止めろぉぉおお!」 真は必死で叫んだ。 何かされるのではないか、という恐怖を感じたためである。 真はジャケットにポケットから、魔除けのナイフを取り出すために手を突っ込んだ。
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