第二話【森に潜む鬼】

4/69

23人が本棚に入れています
本棚に追加
/244ページ
と、もう1人が答えた。 「すまん、頼む」 そう言うと、後輩が加藤を探しに行った。 それを見届けたあと、フウーと口から二酸化炭素を吐き出し、手短にある木にもたれ2人を待った。 だが、2人は一向に戻って来ない。 実に5分は経過している。 「先輩~っ!」 ふと、悲鳴のような声が森の中に響き渡った。 男は嫌な予感を感じ、聞こえた方に身体を向け進む。 「血、なのか?」 男の予感は的中してしまった。 それは、思っていたより最悪な方向に進んでいたのである。 木に赤い液体が、ぶちまけられていたのだ。
/244ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加