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さらに、後輩の靴が地面に片方だけだが、落ちていた。
「加藤さ~ん!、木下!」
もしかしたら、野生のクマに襲われてどこかへ逃げたのではないか、と思い叫んだ。
どこ行ったんだ?……
だが、その行為は逆効果であった。
黄色に輝く二つの双眸が、男の背中を睨んでいたのである。
男は更に奥へ歩いた。
すると、そこに加藤が着ていたスーツが落ちていた。
まるで、意図的に落ちていたかのように……
そんなことを気にせず男は、スーツを拾った。
外側は多少薄汚れているが、内側は血で真っ赤に染まっていた。
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