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数時間後
真は車の前に立っていた。
ドアを開けようとしたが、開かない。
どうやら、ロックが掛かっているようだ。
真はふと、運転席を見る。
光鬼がハンドルに身体を預け、だらしなく寝ていた。
幸せそうだ、起こすには惜しいのだが……
「仕方ないな」
真は窓をドンドンと、数回叩く、割れない程度に、である。
すると、光鬼は驚いたように飛び起きた。
ついでにクラクションの音が鳴り響く。
真に気づき、慌ててロックを解除した。
「お留守、ご苦労さん」
真は車に入りながら、からかう。
「悪かったな。眠かったんだよ」
光鬼はまた、ハンドルに上半身を乗せ始めた。
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