第二話【森に潜む鬼】

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真達が歩いている時、お昼にもかかわらずある箇所だけ夕方のように空が赤に染まった。 「何だ?」 光鬼は怪訝な顔つきで、空を見上げる。 それを見ていた山口が、口を開く。 「そういえば、リュックの中に照明弾が入ってましたよね?おそらくそれです」 つい先ほど、リュックの中身を確認していたのだ。 中には照明弾、救急箱、携帯食料、など入っていたのである。 「あぁ、そういう事か。でも、何で使われたんだ?」 光鬼は疑問を呟いた。 確かにそうである。 もともと照明弾とは、自分の位置を味方に伝えるための手段だ。 だが、今味方――真達に伝える意味があったのであろうか。
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