第二話【森に潜む鬼】

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その言葉を聞いたベテランそうな猟師は、男の胸ぐらを掴み鬼のような形相で、怒鳴る。 「化物なんていやしねぇんだよ!ビビって化物に見えただけだろうが。いるんだったら、見せて欲しいな」 男は胸ぐらを掴まれ、驚いた様子もなくキョトンとしていたが、やがて脅えに変わる。 「や、止めてくれ」 今ここにいるのが、化物ではないのだろうか…… ふいに男はそう思ってしまったのだ。 様子を見ていた、真は慌ててベテランそうな猟師を止める。 山口も止めてください、と繰り返し言う。 ようやく、ベテランそうな猟師は手を離した。
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