第一話【悪霊が棲む家】

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哲夫の首が宙に飛んでいた。 鮮血が壁に飛び散る。 男が左腕に仕込んだナイフで、哲夫の首を切り裂いたのだ。 当然、哲夫は息絶えた。 「どうしたの?」 不審な音がしたので、妻の陽子はリビングに行く。 視線の先には、首が切られた旦那が倒れていて、近くには男が立っていた。 「あなた……」 すると、男と目が合う。 陽子は恐怖で一瞬固まり、逃げるようにリビングから離れた。 自分の部屋を見つけると、慌てた様子で入り鍵を閉める。 これは夢よ。きっと…… 陽子はベッドにダイブし、枕に顔を埋めた。 恐怖から逃れるように。
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