第二話【森に潜む鬼】

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「助けてくれ~!」 前方向に叫び声が響いた。 声音からして低い、男性の声である。 すると、別の組であった猟師の一人があ、あの声は木本だ……、と驚いたように呟いた。 木本とは二人を逃がす為に囮になった男である。 当然、真達は知る由もない。 光鬼は猟師の小さく言ったことが聞こえたのか、言う。 「おい、どうした?」 「この声は木本だ」 別の組だった二人の猟師は、互いに顔を見合わせ安堵の表情をした。 再び光鬼が問う。 「木本?誰だそれ?」 「俺達の組の奴だ。助けに行かなきゃ」 そう言うと二人は、声のした方へ駆けて行った。
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