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それは別の組の猟師達に向かって。
「危ない!」
突然、真の声に二人の猟師はキョトンとした顔で、振り向いた。
どうした?、と光鬼が言おうとした時、猟師達が急に上空に飛び上がり、木の幹にぶつかる。
皆がその妙な運動に唖然として、固まった。
「何ですか?アレは……?」
山口は目を見開き、ブルブルと震えた指で差しながら言った。
真はその小刻みに振動するものの先を追う。
それは人であった。
ただし、それは不気味なほど肌は白く両腕は容易に人の骨を折ることが出来そうな剛腕であり、鋭利な鉤爪を有していた。
そいつは人ではない怪物―――鬼である。
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