第二話【森に潜む鬼】

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鬼は両手に力を加える。 すると、鬼に鷲掴みされている猟師達は苦悶の表情を浮かべ、やがて顔が肉塊に変わった。 鬼が顔を握り潰したのだ。 山口はあまりの光景に思わず、地面に吐瀉物を吐く。 遠藤も青ざめた顔をしている。 こういう事に慣れている真達でさえ、衝撃を隠せない。 鬼はこれといった表情を見せず、真達に死骸に変わった者を投げ出す。 死骸は落下をしている最中、血肉を撒き散らしながら地面にたどり着いた。 山口はひっ、と小さな悲鳴をあげる。 もう顔の判別がつかない状態だ。 恐怖するのは当然。 行動力が鈍るのは必然。
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