第二話【森に潜む鬼】

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それでも説得を続ける。 「奴は日が沈めば、今以上に活発になる。危険なんだ。」 空は燃えるような赤に染められている。 夕方だ。 完全に太陽が隠れれば、夜が地上を支配する時間となる。 そうなれば鬼はこの森を闊歩するだろう。 遠藤は渋面を作り、黙り込む。 彼は鬼の存在を信じていない。 作り話の中での空想上の生き物でしかない。 彼はそう思っているのだ。 しかし、自分の眼で鬼を確認した。 鬼は彼がいる世界にも存在しているということなのだ。 鬼がいるのを信じない自分と、鬼の存在を認めてしまっている自分もいる。
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