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そんな矛盾が遠藤を支配している。
「鬼なんて、いるはずがねぇんだ!俺は認めんぞ」
遠藤は自分に言い聞かせるように叫んだ。
「お前は現に見ただろ。目に見たものは真実なんだ。認めろ」
光鬼は冷たく言い放った。
真とは違い、あくまで冷静に。
客観的に判断し事実を語る。
普段の光鬼とは思えないそんな感じがする、と真は思った。
しばらく遠藤は俯いていたが、顔を上げ真達を見つめる。
その瞳からは覚悟が伝わる。
「分かった。鬼がいることは認める」
真はそっと胸をなで下ろした。
自分の気持ちが伝わったのだ。
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