第二話【森に潜む鬼】

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山口も頷きで返した。 それは、肯定の頷きである。 「とりあえず移動しよう」 真がそう言い、一行は歩を進めた。 宛てのない道を。 それは無謀に見える。 人を喰らう者、鬼に遭遇する率が高くなってしまうからだ。 それでも歩かずにはいられない。 まるで、それは何かに縋るように。 何分歩いたか、一行の眼下に集落が見えた。 しかし、灯りはどこもついておらず人影さえもない。 さらにほとんどの家には亀裂が走っているもの、一部が崩れているものなどがあった。 しまいには、焼けていて家ですらないものまである。 まさに廃村。
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