第二話【森に潜む鬼】

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「こりゃ、酷いな」 遠藤は目を細めながら言った。 ですね、と言って山口は返す。 家にいれば身体を休めることは、もちろん鬼から身を隠すことができる。 しかし、集落はこの有り様だ。 衛生状態はあまりよろしくない。 「外にいるよりマシだ。中に入ろう」 そう言ったのは光鬼だ。 森の中よりは鬼との遭遇率は低くなる。 したがって真達は、余り壊れている規模が少ない家を探し、そこへ入った。 その家は幸いなことに数ヶ所、ヒビが入っているだけである。 中はタンスやクローゼットなどがあるだけだった。 生活していた様子は見られない。
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