第二話【森に潜む鬼】

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真は背負っていたリュックを降ろした。 ついでに腰も降ろす。 皆もそれに倣い、床へ座り込む。 床と言っても、絨毯などはなくコンクリート剥き出しで冷え切っている。 「これからどうします?」 そう言ったのは山口であった。 怯えた様子で、目は真達に向いている。 光鬼はウ~ン、と小さく唸った後、口を開く。 「奴は夜になると活発化する。だから、ここで日が昇るまで待つ」 鬼は日中も活動するが、夜の方がより活動する。 夜は獲物を狩りやすいからである。 それに鬼は日の光が苦手であり、常に日中は日陰にいるのだ。
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