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そこには上に続く階段があった。僕にはちょっと上れそうにない(まだ小さいから勘弁してね)。それをちゃんとわかってくれていた女の子は、僕を抱き上げると軽快に上がって行った。
二階には部屋があった。ここでは靴を脱ぐらしい。女の子は靴を揃えると僕を抱えたまま、自分の部屋に行き、ベッドに向かって背中からダイブ。振動で放り出されそうになるが、しっかりと捕まえてくれていた。
それじゃ私も自己紹介しようかな、と僕両手で掴み、たかいたかいしてくれた。
「私は久美。華の女子高生よ。下にいるお兄さんは修治。親父さんは」
名前なんていうのかな、親父さんってしか呼ばないからな。
少し考えて結局思い到らなかったらしい。
「あともう一人中学生の男の子がいるんだけど、なかなか優しい奴だから仲良くなれるわよ」
君が起きる前に学校に行っちゃったからね。ちょっとした楽しみだね。といいながら、いつの間にかベッドに降ろされた僕の頬っぺたを突いている。
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