謎の手紙

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僕がこの家族の仲間入りを果たして二週間。みんなの生活リズムがわかってきた。学生二人組は夏休みなんだけども。 朝起きる時間はバラバラ、夜寝る時間もバラバラ。それでも朝晩のご飯は揃って一緒に食べる。たまに一人二人欠けていたりもするが。 親父さん曰く、「ご飯は揃って食べる。これ家族なり」らしい。 お昼はそれぞれ別行動している。親父さんと修治さんは仕事場にいるか出掛けているし、学生の二人は部屋で勉強したりゴロゴロしたり、時々遊びに行ったり。仕事場で大人達を手伝ったりもしていた。 そうそう。この家はタンテイジムショっていうらしい。修治さんの膝の上で寝ている時に、独り言のように僕に教えてくれた。 大人の二人は本職の探偵さん、時たま仕事を手伝う学生さん方は探偵の卵ってところかな。 僕もこの家族の一員な訳で、何か仕事をせねばなるまい。なんたって「働かざる者、食うべからず」なんだから。 ということで、歩くのも跳ぶのにも慣れてきた今日この頃、いや正確には三日前から簡単な仕事をしている。それは、毎朝ドアの脇にある郵便受けから新聞をくわえて持っていくこと。不定期にやってくる郵便物を取りに行くこと。後者は起きている時限定なんだけどね。
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