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ちょっと上を向いてみた。優しそうなお兄さん(おじさんていうと怒るからさ)がぼくを見つめていた。おもむろに口を開いたかとおもえば、
「よし、今日から家族だ」
いきなりですねお兄さん。もともと拒否権も持ってないし、拒否するつもりもないから、肯定の意味を込めて小さく鳴いてみた。
その声を聞いたからか、傘を閉じて僕を抱き抱えながら急いで走ってくれた。家に向かってくれてるのかな。心地良い振動と抱き抱えられてる体温の暖かさ、そして安心感(そりゃ寂しかったからね)で、僕はちょっと眠りこけてしまった。
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