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おじさんは僕みたいな人を扱うのがうまいらしい。お兄さんと話をしながらも喉をゴロゴロやられ、肉球をいじられ、なかなかにリラックスしてしまった。
いや人じゃないけどさ。
そうこうしてると、またお腹がすいてきた。食い意地はってるって?しょうがないじゃない。育ち盛りなんだもの。
ちょっと主張をして鳴いてみる。その声を聞いた二人はふと目線を僕にむけ、壁に掛かっていた時計を見る。僕もつられて時計を見る。短い針が12、長い針が5を差している。
「もうこんな時間か。飯にしよう」
頭の上から嬉しい申し出が聞こえてきた。同意を示そうとちょっと長めに鳴くことにする。頭を撫でられた。
それを合図にしたように、チャイムがきこえ白い扉が開いた。
そこには朝に会った女の子がいた。
「ただいま」
やっぱり挨拶は大切だよね。
大の男二人が声を揃えて決まり文句。
「おかえり」
でもちょっと早いんじゃない?まだお昼だよ?とお兄さん。
今日は終業式だからお昼までだったの。明日から夏休みよ、と女の子。
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