流生人

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パスワードを入力するとドアが開いた。 ウーィンー… この基地は見つかりにくい所にあるためパスワードは正直いらないが、 念のため、2重3重に警備してある。 「ん?」 カウンターの横に田辺の姿があった。 その隣には少年がいた。 「田辺その子は?」 「お?ふみ…来たか。」  何故だか重苦しい空気になる。 「田辺…ここは子供が来るような場所じゃないはずだが。」 「まぁ落ち着け。久しぶりの再会だ。」 「今はその子の事を聞いている。」 「チッ…相変わらずせっかちな奴だぜ。」 「で、どうなんだ?」  少年は少し切なげな目をして、じっとしている…。 「…この子はこれから、俺達と同じ流生人として活動することになった。」 「正気か…!?この子は俺達の仕事内容について知ってる上でか!???」 「あぁ、知っている。この子もそれなりの覚悟がある。」 「何故こんな子供を…?」  田辺はタバコに火を点けて一服すると口を開いた。 「この子とお前は同じ生き方をした身だ。」
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