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そしてそのまま泣きじゃくり‥抱きしめて貰ったまま……。
ポンッ!
「おわっ!?アリスどうしたんだ?顔が真っ赤で頭から煙が出ているぞ?」
「べっ、‥別に恥ずかしくて顔が真っ赤になったりしたわけじゃないんだからね!!」
「落ち着けアリス、キャラが崩壊してきているぞ」
失礼な!私のキャラが崩壊するなんてありえないんだから!
と言うより、頭が混乱していて自分が何を喋っているかわからない。
*
「すみませんレイさん、やっと落ち着きました」
「そうか‥じゃあオレはもう行くからな」
「死にに行くつもりですか?」
レイさんが座っていたソファーから腰を浮かせた時、私は平坦な声で言う。
「‥‥」
それを聞いたレイさんは、ふぅー‥、とため息をはくとソファーに座り直した。
「‥それを誰に聞いたんだ?」
「アルメルトです」
「そうか‥、アリス、オレらは死に行くつもりなんてないぞ?」
「そうやってはぶらかすつもりですか?レイさんが私にくれたこの腕輪、魔武具だそうじゃないですか」
「‥‥」
「しかも、私が倒れた知欲の間の魔導書とリンクして知識を私の頭に移すことが出来る」
「そしてこの屋敷の相続人も私‥、ですよねレイさん?」
「‥‥」
レイさんは何も喋らない。
「そして私には腕輪のことを教えてくれなかった‥、それは私が相続人になったらいつかは屋敷の知欲の間にも辿り着くと思ったからでしょう?」
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