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「対戦…しませんか…?」
と言ってきた。
謎は解けたのだが、動揺は止まらなかった。
ついさっきまで、そうたった10数秒前まで、いつもと変わらない日常的風景が流れていたこの世界に、突如飛び込んできた非日常的イベント。
しかし、確かに感じることのできるこれは現実。それほど良くないあたしの視力でも鮮明に写し出され冴え渡るこの情景。
現実である。
そう考えていると三度目の
「あの…」
あたしは咄嗟に
「はいっ!はいはいはい!どうぞ!💦」
と言った。変な人に思われただろうか。多分ていうか絶対思われたと思う。
彼女はニコッとしてシートに腰をかける。
カバンから財布を取りだそうとしている彼女をあたしは見つめていた。
先程までは動揺していたので、まともに彼女のことを見ていなかったが、こうして冷静に彼女を見てみると
なんというか…
その…
…可愛い。
そう
彼女は可愛かった。
髪はショート。ウルフ。茶髪。最近ボブが多いけどウルフは珍しい。顔は小顔で目も大きく鼻筋の通った整った顔立ち。スタイルはショーパンスタイル。上はロンTにジレを羽織って、パープルのタイツで小悪魔なイメージに仕上がってる。
紛れもない
あたしのタイプだった。
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