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真鍋弁護士は彩の依頼をこなした。
遺言報告を終え、1ヶ月以内に高垣彩の自宅土地の売却を確認できる書類と詩織の相続分を三人から差し出すように条件をだしていた。
さらに詩織のもとを訪れ祖母、彩の遺言を報告した。
<そうですか、そんなことが>
詩織は自宅マンションのアトリエ部屋で仕事をこなしていた。
今ではある月に数回、納品して、出来高報酬の契約をしており、生活にはゆとりがあり困ってはいない。
週に2日ほど教室も開くようになっていたし、祖母の遺産など放棄しても良かったのだが、あの強欲な高垣家の面々を困らせてやりたかった。
弁護士は小さなカギを詩織に渡した。
<これは銀行の貸し金庫の鍵でございます。こちらには、詩織様の相続分の遺品と彩さまからお預かりした手紙の束が保管されております>
<手紙?>
<大事に保管されてましたのでお母様からのではないかと思われます>
<あとは遺産分割の日時と場所をお知らせいたします>
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