†プロローグ†

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スタッ 少女は着地すると 顔に付いた返り血を拭った 『ふぅ…任務完了っと』 持っていた刀を鞘にしまい 団服を翻して歩き出す ジジジ… 先程までは見えなかったゴーレムが 少女の肩の近くで止まった 『…ラビ?そっちはどう?』 「ジジ…平気ジジジ…さょ」 ノイズ混じりで ゴーレムから声が聞こえる 『了解。これからそっちに向かうわ』 「ジ…わかっ…ジジたさ…」 プツンッ 通信が切れたのを確認し 少女は再び歩き出した 「コンバンハv随分と暴れてくれたみたいですネv」 『っ!!?』 突然の声に振り向くと そこには千年伯爵が立っていた… 『千年…伯爵…』 背中を嫌な汗が伝う 私は咄嗟にイノセンスを構えた 「我が輩は貴女と戦う気はありませンv しかし…貴女は我々の計画を進めるのに厄介でスv」 言っている意味がさっぱりわからない とにかくヤバい事は確かだ 『伯爵…覚悟ぉおぉ!!!!』 イノセンスを発動させ 一気に間合いに入り込み そして 貫いた… 『…かはっ…!!』 貫いた、と思った 実際には私が伯爵に貫かれる事になったが… 『くっそ…』 口の中は鉄の味が充満し 腹からはとめどなく鮮血が流れ落ちた 「残念でしたネv ですが、安心していいですヨv 貴女が死んでも悲しくないように 全て殺しておきますからネv」 視界が霞んで耳も聞こえなくなってきた 『(もぅ…死ぬのかな…)』 頬に一筋の涙が伝い落ちた そして 私は意識を手放した…
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