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「よく合わせたな。」
「このスライダーってカウントかせぐためのものですよね?当てるくらいできますよ。」
(クソ、ウゼェ。)
田崎は内心毒づいた。
確かにスライダーは決め球ではないが、新入り相手には十分だと思っていたのだ。
(こうなりゃ意地でも三振とってやる!)
三球目はインハイのボール球。カウントは2ー1。
(カウントを整えてきた。次は決め球かな。)
恵奈はバットをさらに短く持つ。
(一打席目はなるべくたくさん投げさせて、球筋をみよう。)
田崎が振りかぶる。
シュッ!
(遅い…!)
田崎の投じた球はスライダーよりずっと遅い。
ストン。
チッ!
「ストライク、バッターアウト!」
一打席目は三振に終わった。
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