願い

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─── ベンチに二人で座っていたとき。 「もし、もしもだけど、あなたが私に別れ を告げたとしたら、…私は、どうしたら いいのかな」 智香が突然呟いた。 「どうしたのさ、いきなり」 「いや、昨日ずっとそれを考えていたの」 そう言うと、智香は足を組み直して遠くを見つめた。 「それでね、  `好きだから、その人の願いを叶えよう'  そう思って、別れるのか、  `好きだから、離れたくない'  そう思って拒否するのか、どっちだろう …って」 何も答えられずにうなっていると、智香が俯いて言った。 「私だったら…離れたくないって言っちゃ うんだろうなぁ…。  ねぇ、…あなたはどっちを望む?」
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