1人が本棚に入れています
本棚に追加
───
ベンチに二人で座っていたとき。
「もし、もしもだけど、あなたが私に別れ を告げたとしたら、…私は、どうしたら いいのかな」
智香が突然呟いた。
「どうしたのさ、いきなり」
「いや、昨日ずっとそれを考えていたの」
そう言うと、智香は足を組み直して遠くを見つめた。
「それでね、
`好きだから、その人の願いを叶えよう'
そう思って、別れるのか、
`好きだから、離れたくない'
そう思って拒否するのか、どっちだろう …って」
何も答えられずにうなっていると、智香が俯いて言った。
「私だったら…離れたくないって言っちゃ うんだろうなぁ…。
ねぇ、…あなたはどっちを望む?」
最初のコメントを投稿しよう!