一章・死後の世界

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入ってきたのは、金髪の少女。 深琴に負けず劣らずの美少女(いや、この子の場合は美幼女かも……って、俺はロリコンじゃねぇっ!)で、両耳の所から髪を一筋掬い、後ろで結っている。 そして残りの髪を垂らしたスタイルだ。 落ちそうな位に大きいエメラルドの瞳が、キラキラと輝いていた。 「この人だぁれ?」 「新しいメンバーよ。どうしても私達の仲間になりたいって言うから、特別に入れてあげたの」 深琴はわざとらしく、『特別に』を強調する。 あれ、俺そんなこと言った憶えないんだけど。あはははは。 「大丈夫?10秒前のことも記憶喪失?」 「記憶喪失なのは認めますが、10秒前のことは憶えてますよ」 むしろ大丈夫じゃないのはお前の方だよ、深琴さん。 可愛いロリっ子は(だから俺はロリコンじゃねぇ)満面の笑みを浮かべて(嗚呼、これが父性というものか。何て可愛いんだ!……俺はロリコンでも変態でもないはず)俺の手を掴んで言った。 「よろしくね、お兄ちゃん」 「…おおおお兄ちゃん?」 何だ、その萌えワードは!? .
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