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それを見ていた深琴が、やけに誇らしげな顔で言う。
「こう見えてもこの子、進んで前線に飛び出しては鎌で天使の頭をちょんぎることで有名なのよ。だから仲間も天使もこの子を敬を評して、『麗姿の拷(レイシノゴウ)』って呼んでいるわ」
「えへへ~」
それは尊敬とは違うんじゃ……
俺はそう思ったが、口には決して出さない。
男とは、弱い生き物である。
「そう言えば、自己紹介がまだだったわね」
「そうだったぁ。神崎乙音(カンザキ オトネ)だよ。お兄ちゃんは?」
「俺は……」
そう言って、俺は言葉に詰まった。
相変わらず分からないままだった。俺が誰なのかすらも。
そんな気持ちを汲み取ってか、深琴が言う。
「こいつ、〈神の意思(ゴッドハーツ)〉よ」
「〈神の意思〉って何だそれ」
深琴の口からはまたしても、今まで聞いたことのない専門用語が飛び出した。
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