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深琴はもう一度咳払いをする。
「ごほん。
だからね、私達は思ったのよ。私達は神の意思で此処にやって来たんじゃないかってね」
「それは、流石に飛躍し過ぎてるんじゃないか?」
「いいえ、ちゃんとした根拠があるの」
「根拠?」
俺が訊くと、深琴はおもむろに右手を出した。ちょうどお腹の辺りである。
すると乙音が、俺を手で牽制する。
「ちょっと危ないかもだよ。みことねぇのことだから、加減はすると思うけどね」
「分かった」
乙音は俺に目を合わせることなく言ったが、その真剣なオーラから俺は悟った。
ベッドで寝転がったままの体勢から身を起こし、これから始まるであろう非日常の核心に緊張し、思わず生唾を飲む。
「発動」
深琴が短く呟いたその時。
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