一章・死後の世界

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俺はその笑顔を見て、少しため息を吐いた。 「あんな炎見せられても信じないほど、物分かりは悪くねぇよ。お前……いや深琴の話も飛躍的とはいえ、結構筋も通ってたしさ」 「筋?あそこおいしくないよね。きらーい」 そう言って顔をしかめるのは、もちろん乙音である。 珍しく乙音のズレた考えをスルーし、深琴は本当に嬉しそうに笑った。 信じてもらえたのが、余程嬉しかったらしい。 「アレで信じてくれなかったら、どうしようかと思ってたもの」 「よかったね」 乙音もにっこりと笑った。 そして深琴は、「さっきの伝説に戻るわ」と前置きし、俺に話しだした。 「その伝説の一つに、『悪い神と囚われの神』というものがあるんだけど、この伝説が、さっき言った〈神の意思〉に関係しているのよ」 .
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