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深琴は、一言一句でさえ間違っていないような調子で、『悪い神と囚われの神』の伝説を唱えた。
それを聞き終わった俺は、暫し思案に暮れた。
「深琴は、何番目なんだ?」
「何番目?」
唐突な質問に、深琴は質問で返す。
「だから、その時計で言う所の、何番目に値するんだ?」
「一番目。要するに、始まりの12時よ」
「12時って、指導者って言うヤツ?」
「そうよ」
なるほど、〈必要悪の教団〉リーダーの名は星によって、生まれる前から決まっていたのかも知れない。
そして俺は、ずっと考えていた疑問を挙げた。
「それより深琴、何でお前は俺に、そういう話しをわざわざするんだ?」
「……」
深琴は額に青筋を浮かべ、乙音は苦笑混じりに笑う。
俺は深琴をお前と呼んだことが原因だと判断したのだが、
「そんなことも分からないの?このバカ」
どうやら違うようで、酷い中傷を受けた。
「…わ、わりぃ」
取り敢えず謝罪を入れるが、俺は詰られた理由が分からない。
だって何も聞かされていないのだから。
「いいわ、特別に教えてあげる」
深琴はそう言い、驚愕の言葉を口にした。
「あなたが終わりの12時だからよ」
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