一章・死後の世界

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深琴は、一言一句でさえ間違っていないような調子で、『悪い神と囚われの神』の伝説を唱えた。 それを聞き終わった俺は、暫し思案に暮れた。 「深琴は、何番目なんだ?」 「何番目?」 唐突な質問に、深琴は質問で返す。 「だから、その時計で言う所の、何番目に値するんだ?」 「一番目。要するに、始まりの12時よ」 「12時って、指導者って言うヤツ?」 「そうよ」 なるほど、〈必要悪の教団〉リーダーの名は星によって、生まれる前から決まっていたのかも知れない。 そして俺は、ずっと考えていた疑問を挙げた。 「それより深琴、何でお前は俺に、そういう話しをわざわざするんだ?」 「……」 深琴は額に青筋を浮かべ、乙音は苦笑混じりに笑う。 俺は深琴をお前と呼んだことが原因だと判断したのだが、 「そんなことも分からないの?このバカ」 どうやら違うようで、酷い中傷を受けた。 「…わ、わりぃ」 取り敢えず謝罪を入れるが、俺は詰られた理由が分からない。 だって何も聞かされていないのだから。 「いいわ、特別に教えてあげる」 深琴はそう言い、驚愕の言葉を口にした。 「あなたが終わりの12時だからよ」 .
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