間章・知らない場所で

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「今は…あなたが…神…なん…でしょう?」 幽閉され、誰かと話すことさえ久しぶりである男は、擦れた声を振り絞る。 訪問者の男は、傲慢に笑った。 「だとしたら、何だ?」 「何も…ない…ですが」 今代の神の座にある男に、先代の神は無表情で答える。 神はまた舌打ちするが、蹴ることはしなかった。 先代の両手足には、戒めの術が施されている。 「逆に…ゲホッ…問います」 「何だ?」 咳き込み、それでも先代の神は続ける。 「あな…たは…何が…したいの……です…か?」 擦れていたが、何処か大きな意思を感じさせる、不思議な声だった。 神の額には青筋を浮かび、握った拳が怒りで震えていた。 そして、怒りを爆発された。 「死にやがれッ!」 神は掌を神に向け、蠢かせた。まるで人形を繰(ク)るかの如く。 ぐぎっ 肉が絶たれる嫌な音がし、先代は息を飲むように、短く悲鳴をあげた。 「『傀儡(クグツ)の繰り手』を舐めんなよ、下衆(ゲス)」 切り落とされた右腕が、光によって新たに生み出される姿を見て、神は吐き捨てるように言う。 「そこで大人しくしてろ、先代」 そしてまた塔には、気味の悪い静寂が続く。 .
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