甘き誘惑に抗うこと勿れ

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「ふむふむ、なるほど」 「ん?」 「つまりオミトは、その洋菓子職人が作る洋菓子が食べたくて食べたくて仕方ないと」 「流石、鋭いね。どうにかして入れないかなぁ。一般客用の招待券はもう配布終了らしいし」 「招待券なんて必要なんだ」 「もともとは招待された人だけしか入れないものだったらしいからね」 「ダフ屋とか居ないのかな」 「いやー、流石に居ないんじゃないかな」 「・・・一緒に忍び込む?」 「え、あ、いや、駄目だよ!それは駄目だって、絶対怒られるだろうし」 「当日近くに居れば、意外とお零れが頂戴出来るかもしれないね」 「・・・なるほど!よし、明日は向こうに様子見に行ってみよう!」 「ノリノリですな」 「あはは。そうかな」 「ではお供しますぜ、兄貴!」 「あ、兄貴?・・う、うん、ありがとうっ!約束だよ」 「押忍!合点承知っす!」  こうして、二人の初のスニーキングミッションが実行に移されることになったのだった。
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