甘き誘惑に抗うこと勿れ

6/6
前へ
/305ページ
次へ
 少しは彼の変なイメージの払拭は出来ただろうか。  いや、逆にまた別の意味で変なイメージを与えてしまった可能性は否定出来ないのだが、これぐらいなら可愛いものだろう。  というか可愛いよね。  お菓子大好きだなんて、どう考えても呪術趣味よりはプラスのイメージになるはずだ。  少なくとも私の中ではプラス100ポイントぐらいの価値はある。  何のポイントかは不明だ。  ――言っておくが、別に私は彼の好感度上昇目的の為にやった訳ではない。  私は世界に絶望し、自殺を決意した女。そんな優しい人ではない。断じて。  本当に、自己満足のためだ。  彼が一途が良いと言ってくれたのが嬉しかったついでにこのエピソードを書いたとか、ションボリしたかと思えばパーと喜び顔を輝かせる彼に不覚にもときめいてしまったとか、そういうのではないのだ。  そうじゃないんですよ、ホント。信じて。
/305ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加