壊すのはすごく簡単です

22/31
前へ
/484ページ
次へ
いつもなら抱き留めたり、避けたりする余裕があるけど、最近の関係上頭が混乱していた。 えぇ!?だって最近まですれ違うカップルみたいになってたじゃん! それなのに何でいきなり飛んで来てんの!? 秀「うわっ!!」 薫「ほぁっ!!」 なんてことを考えていたから、薫の勢いに負け二人とも倒れてしまう。 構図としては、薫が俺を押し倒してる感じ。 秀「った~、大丈夫ですか?怪我とかないですか?」 薫「うん、大丈夫!それより…秀く~~~ん!」 薫に強く抱きしめられる。 そうか、久しぶりだから嬉しいんだな。可愛い奴め! と、いつもならこうなるんだけど、ここで薫の力を思い出していただこう。あの尋常じゃない力を。 秀「いだだだ!ちょっ、薫!ギブギブっ!」 薫「秀くんだ~、秀くんだ~!」 すっごい可愛いなぁおい!俺の胸に顔をスリスリするとか、可愛いなぁおい! 秀「だけど、マジで離ぎゃああぁぁ!い、いろんな骨が、折れる…!」 もう冗談じゃなくてそんな気がする!すっごい身の危険感じる! どうしたら、どうすれば! 1 キスとかしてみる 2 逆に押し倒す 3 体をまさぐってみる 4 まともなコマンド出ねぇ!1も3もこんな公衆の面前で出来るか!つーか、とかって何だよ!それと4って何なの!?空白じゃねぇか!俺はどういう思考回路してんだよ! ってツッコミ入れてる場合じゃねぇよ!このままじゃ薫に殺される! 秀「薫、俺死んじゃいますから!冗談抜きで!」 薫「…秀くん、心配いらないよ?秀くんが死んでも、私はず~っと秀くんの側にいるからね…」 何か微妙にヤンデレが入ってる!? こうなったら、2だ!逆に押し倒す!薫ぐらいならどうにかなる! 薫「きゃぁっ!ちょっ、えっ?秀くん、ダメだよ?こんなところで…」 はぁ、なんとかうまくいった…。ポジション反転したら薫も離してくれた。ちょっとトリップしてるけど。 うん、とりあえず痛い皆の視線をなんとかしなきゃな…。 そんな目で俺を見ないで………。
/484ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2148人が本棚に入れています
本棚に追加