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君と出会ったのはいつだっただろう?
確か…、
季節は春で、
風が強くて、
桜の花弁が舞っていて……。
桜の木が立ち並ぶ、
土手の傾斜の途中に、
君は居たんだ。
寝転がって、
桜の花弁を鼻の頭に乗せて、
暖かい日溜まりの中に、
そう…、
猫のように寝ていたんだ。
今でも忘れない。
多分一生…、忘れることは出来ないと思う。
なんせ、初めてだったんだ。
女の子を見て、ドキドキしたのは。
胸がきゅっとして、苦しくなって、君から、目が離れなかった。
君のお陰だよ。
君と出会うまで、
ただ淡々と、同じ日々を繰り返す俺には、世界はくすんで見えていた。
でも、君と出会った瞬間から、否…、君が俺の視界に入り込んだ瞬間から、世界が明るくなったんだ。
世界が、美しく、輝いて見えたんだ。
ねえ、
俺の好きなもの、知ってる?
それはね─────────…
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