第一章 賢人の過ち

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渡された包みを開けてみると… 小さな箱とその上に封筒が入っていた。 封筒はロラン宛ての手紙のようだった。 “ロラン様、汚ねぇ字で申し訳ございやせん、白鯨亭のタルでやす。ロラン様がそっと発たれるのは知っておりました。(と、言っても自信はありませんでしたが…)実は夢を見たんでやす、どこか分からねぇトコを…あなた様お一人でそおっと歩いてらっしゃる…そんな夢でやす、そしたら本当にただお一人でいらっしゃるじゃねぇですか!あっしらにゃ分かりっこねぇ大事でしょうて…あっしらに出来ることと言えば、これくらいで…守衛にもロラン様が通られたらソレを忘れる様言って有ります、口の固い野郎なもんで大丈夫でしょうて…お気を付けて行ってらっしゃいますように。” ロランは殆んど感動し、感謝した。 守衛に詫びたあとで、この旅の帰り道また必ず寄るとタルに伝えるよう頼み橋を渡った。
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