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「何者だ?」
美しい声はロランの問掛けに答えなかった。
「そのまま真っ直ぐ、あの二人の所へゆっくり歩いてくだい。もう一度言いますが、おとなしく従ってくれれば危害は加えません。」
ロランは従うしかないと悟り歩き始めたが恐怖を感じていない事を不思議に思った。
二人の子どもがロラン達に気付き話しかける。
「やぁ!やっと帰っていらっしゃいましたねエルフィン。…そちらは?どなたです?」
ポルムにエルフィンが答える前にパルムが口を出す。
「『おおきいひと』ですね!」
エルフィンは微笑みながら答えた。
「まあまあ二人とも、少し待って下さい。」
「そんなことを言って…あなたはさっきもそう言って僕達を置いて行きましたよね?今度は何時間待たせるんです?」
「おや!ご挨拶ですね。おとなしくしていてくれれば森の出口に案内しますよ。」
「分かりました。冗談ですよ、僕達ホビット族はいつでもこんな風に軽口を叩くので。」
ロランは驚いた。
「ホビット?まさか昔話に出てくる『ちいさいひと』なのか?」
二人に代わってエルフィンが答えた。
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