第二章

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「ねぇ、この恰好で平気かなぁ?」 生成り色のマキシ丈ワンピに鉤針編みのベストボヘミアン風の刺繍がされたカゴバックを手に持った所謂<森ガールファッション> を身にまとったあたしは妹に聞いた。 「うん、凄く似合ってる!!お姉ちゃんらしさが滲み出てるよ。」 妹、美緒は目を輝かさせて言った。 あたしら宮下姉妹は仲が良いことで評判。 でも、全く似ていないことでも評判だ。 妹は成績が常に学年トップ、しっかり者でしかも礼儀正しく、上品で優しい中学2年生。 それに対して、姉は成績はいつも平均。頼りない、ごく普通の中学3年生。 凸凹姉妹とあだ名がついた時は少し傷ついたけれど、あたしは美緒が妹でよかったと心から言える。 「髪型はどうしよう…」 「おろしたままでいいと思うよ…あっ、編みこみのカチューシャとかは?あたしやるよ。」 「美緒はホント何でも出来てほんと羨ましい」 「そんなことないよ。お姉ちゃんに出来てあたしには出来ないことだって沢山あるもの。」 「…例えば?」 「彼氏を作るとかねっ」 美緒は悪戯っぽい声で言った。 実はあたしは最近、ずっと好きだった秋谷優斗(アキヤヒロト)くんと付き合いはじめた。 そして、なんと、今日は優斗くんとの初デートであたしはウキウキ気分なのです。
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