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あぁ、もうくだらない。
なにがLIZ〇ISAよ。
まだ、そんなお子ちゃまブランド身に付けてるわけ?
少女は内心そう思いながらも笑顔で会話を耐え続ていた。
「はあ………」
「どうしたの、夏帆?」
我慢ができなくなったのかついにため息をついてしまった。
「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる!」
―少女の名は篠崎夏帆(シノザキカホ)。ここ桜丘高等学校に昨日入学したばかりの新入生。
つり目がちの整った顔立ちと抜群のスタイルのおかげで気の合わない友達ばかり出来てしまった、かわいそうな人なのだ。
そんな夏帆は、トイレに行くと言いながらもとっくに過ぎて、速足で廊下を歩いていた。
と、その時。
バタンッ!
人にぶつかってしまった。
「わぁっすみません!」
相手の顔も見ずとっさに謝る。
そして、足元を見るとプリントが散乱していたため、拾うのを手伝う。
運悪くぶつかった相手はプリントを持ち歩いている最中で、
ぶつかった反動でプリントが散ってしまったのだ。
「はい、これ…」
夏帆は、プリントを拾い上げ初めて相手の顔を見た時、驚きのあまり拾い上げたプリントをまた落としそうになった。
まるで精巧に出来たビスクドールのような透き通った肌、深い群青色の瞳、薄紅色の唇、そしてブロンドでウェーブがかかった髪。
「うわぁ…」
その美貌に、思わず感嘆の声を漏らしてしまった。
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