第一章

5/8
前へ
/13ページ
次へ
高校に入学してからまだ1日。 彼女、鈴木莉花にも楽しい高校生活が待ってるはずだった。 しかし不運にも彼女は早速先生に気に入られ(幸運とも言えるかもしれないが)、職員室で先生を手伝っていた。 「じゃあ鈴木さん。このプリントと書類、教卓の上に置いてきてくれる?」 「はい。」と短く返事をし、莉花は職員室を早足で出ていった。 「はぁ……。せめて担任が女性だったらなぁ」 周りには聞こえないよう、小さな声で呟いた。 でも現実、担任は太った中年男性なのだからしょうがない。 そんなことをおもいながら教室へ向かう最中、前方から物凄い勢いで歩いて来る(もはや歩いてはないが)人がいた。 避けようとしたが、既に遅かった。 見事にぶつかり、プリントが床に散る。 ぶつかった相手を見て莉花は驚いた。 『宮下麻緒』にそっくりだわ!!
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加