第一章

6/8
前へ
/13ページ
次へ
あの時以来、莉花は『ぶつかった相手』のことをよく考えるようになった。 何てったって、身長を縮まさせれば宮下麻緒そのものと言えるほどそっくりなのだから。 (そういえば、名前聞くの忘れちゃったな…) と莉花は思った。 その時、 「あの…鈴木さん…」 「ふぇ!?」 なるべく顔を見られないようにいつも机に突っ伏してる莉花は、めったに声をかけられないため思わず奇声を発してしまった。 「えっと…誰かが呼んでますっ…」 三つ編みで赤ぶち眼鏡のいかにも「委員長さん」という感じのクラスメイト(大竹さんだと思われる)に声をかけられた。 (誰だろう……?) 部活にも委員会にも所属してないため、思い当たる人がいない。 とりあえず席を立ち、クラスの入口まで行くと驚きの相手が莉花のことを待っていた。 (あの時の娘!!!)          * * * *
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加