妖鬼、帰郷。

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会議から数日。王と将軍たちが滞在する本拠の城に、一人の女性が訪れた。 暗い茶色の髪を風に揺らした、白い肌が美しい女性。 およそこの場に似つかわしくない女性の来訪に門番も呆気にとられたが、女性がそのまま門を通過しようとするのを見て、我に返った。 慌てて女性を止めようと腕を伸ばす。 しかし。 どさり。 女性に手を伸ばした門番が、意識を失い、その場に倒れ伏した。 女性はそれを冷ややかに見つめると、まるで道端の空缶を蹴り飛ばすかのように、門のなかに向けて門番を蹴り入れた。 邪魔なモノを避けた女性は、悠々と門のなかに侵入する。 次から次と現れ、侵入者たる彼女を捕らえようとする兵士たちを軽く返り討ちにしながら、とうとうネフィリム王と将軍たちが控える玉座の間にまでたどり着いた。 ぎいい、と、扉が軋みながら開く。 その中に王の姿を見た女性は、僅かに目を細める。やがて、彼女は恭しくひとつ、礼をした。 「お久しゅう…ネフィリムさま」 やって来た彼女の姿を視認した王はやはり、笑みの型に唇を歪めた。 「よく来たな」 この日、ネクロスに新たな将軍が現れた。 妖鬼アイシャ。 ネクロスの護りの要の誕生であり、 ネクロスの悪魔の再臨であった。 .
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