15人が本棚に入れています
本棚に追加
波瀾万丈な入学式やその他諸々を終え、ヒナを伴って、というか手を掴まれて強制連行されてる今日この頃。
時間が進みすぎだ?
その他脇役の名前すら出てない?
俺が知るか!
……ったく、わかったよ。
あの女教師は三社祭(ミヤシロ・マツリ)
さんじゃまつりと読んだら、殺されるそうだ。
あの先生に。
あとは知らん。
てか寝てた。
入学式のもよう?
寝てましたが、何か?
「クロちゃん、なにぼっとしてるの?
お昼食べに行こう!」
そうそう、現在時刻は昼過ぎ。
あちこちで親子連れやらなにやらが写真を撮りあっている。
「いや、あの両親には会いたくないんだけど?」
手を引くヒナに、正直にぶっちゃける。
娘の入学式だ。
共働きで忙しいたって、流石にどちらかは来てるだろ。
「来てないよ」
「あ?」
おいおい、ちょっと待て……
「お父さんもお母さんも、来てないよ。
『あんな田舎の、三流の公立高校の入学式なんて、恥ずかしくて出れない』って」
なん……だと?
「だからね、クロちゃんがいなかったら、私、一人ぼっちの入学式だったんだ。
クロちゃんがいてくれて、本当によかったよ」
そう言って、ヒナは笑う。
力なく、眉尻を下げた笑み。
「……行くぞ」
ヒナの手を引いて歩き出す。
最初のコメントを投稿しよう!