先生と見回り

1/15
前へ
/40ページ
次へ

先生と見回り

「あ―!!」 家に帰って私は叫び声を上げた。 「ワークがない!!ない…ない…ない…!」 どうしよう、明日の宿題なのに。 他の教科ならまだしも笠原田先生の国語の宿題なんだもん。 ダメな生徒って、思われたくないもん。 「よし、取りに行くか」 そう決意したとき、プルルルル…プルルルル。 電話だ。 こんな時に。 「はい、矢島です」 『おー矢島か、良かった。お前、何か忘れてないか?(笑)』 「……………………ワーク」 『正解(笑)今から持っていこうか?』 「ううん。大丈夫、取りに行けます」 『そっか、外暗くなりかけてるから気をつけるんだぞ』 「はーい」 ガチャ。 電話を切った後、頬がかぁぁっと熱くなってきた。 気をつけるんだぞ、だって。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加