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出会い
私の学校は幼・小・中・高一貫の学校だから今日の入学式もほぼ全員見慣れたメンバーな訳で。
特に不安も緊張もなく入学式の予行練習の教室にいると、一人の男性が入って来た。
今は、私の他に初対面の女子が一人、男子が一人な状況だったので、その瞬間だけはちょっと緊張した。
その人の第一印象は『入学式の業者の人か誰か』だった。
先に話しかけてきたのはその人だった。
『入学式緊張してる?』
『まぁ、多少は…』
私はよく分からず曖昧な返事だけを残し目を逸らした。
そこからは何故だか話しかけてこなかった。
そして結局、私はその胸のネームのとこに『笠原田』とか書いた人を業者の人と思いこんだまま入学式を終えた。
淡々と式は進んでいき、担任発表まできた。
高等部の先生はほとんど知っていたし、大体予想もできてたからドキドキは少ししかしなかった。
見事予想的中!
担任は厳しいけど優しくて面白い人気のある女先生。
橋田先生だった。
やった!と、隣にいる親友の由宇と静かにはしゃいでいると、校長先生が続きを話し始めた。
「次は副担任です。新一年の副担任は、笠原田先生です」
ん?
笠原田…?
どこかで………てかついさっき聞いたような……
名前を呼ばれて前に出てきた人の顔を見て思い出した。
業者の人!(と、思っていた人)
まさか、教師だったなんて。
しかも副担任!
「一年生の副担任を勤めさせて頂きます、笠原田 瞬(かさはらだ しゅん)です。よろしくお願いします」
まず最初の印象はというと………
眼鏡…。
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